今回のブックレビューは、一時期大きな話題となったモチベーション革命になります。

僕も含め、俗に言われる“今の若い奴ら”の、主に仕事への感じ方・モチベーションについてや、それら若者のモチベーションを意識した組織づくりについてを中心に書いた一冊。

「上の世代と考え方が合わない」という若者にとっては、「そうか。だから合わなくて当然なのか!」と感じさせてくれ、「下の世代はなんでこんなに…!」という上の世代の人たちにとっては、「なるほど、そういうものなのか」と気付かせてくれる本になっています。

何かに向かうためのモチベーションを上げるために読むもよし、「世代間の融合」について学ぶため・実際に行動を起こすためのアイディア探しに読んでもよし。

そんな『モチベーション革命』について、感想や評価、僕のお気に入りポイントなどをご紹介していきます!

  

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『モチベーション革命』の作品概要

題名

モチベーション革命

著者

尾原和啓

作品ジャンル

自己啓発

出版

幻冬舎

  

  

『モチベーション革命』のあらすじ

前半は精神的・人間の心の部分のお話。

まずは、若い世代(「乾けない世代」と著者は言っている)のモチベーションの上げ方についてがかかれています。

そこから、AI・ロボットによってどんどん仕事が代替されていくであろうこれからの時代の考え方・働き方についての話へと移っていきます。

後半は、前半のモチベーションの話を踏まえた上での、実際の行動ベースのお話。

これからの時代のチームづくり(組織づくり)や個人の働き方についてが話されています。

『モチベーション革命』全体としてのポイントとしては、「誰になんと言われようがこれが好き」と言える「偏愛」を重視していることが挙げられますね。

「機械やAIは持たず、人間のみが持っているもの」こそが「偏愛」である、といったところですね!

  

  

『モチベーション革命』を読んで

評価・感想

『モチベーション革命』を読み終えての一番の感想は、「とにかく読みやすい!」ということですね!

一気に読めば2〜3時間で読み終わります。

もともとそこまで厚くないことに加え、一ページに書かれている文量もそこまで多くないです。

伝えたい内容がストレートにかつコンパクトに、わかりやすく書かれている印象です。

ただ同時に、あまりに勢い良く読めすぎて、意識に残りにくいという見方もできますが…笑
(僕は若干の読みにくさがあった方が、逆に頭を使って「読んでるな」という感覚になりやすいので…)

書かれている内容そのものも、僕はとても共感できましたし、学びの多いものとなりました。

組織づくりや個人の働き方の部分も、実際に自分の行動に移しやすいことが書かれていたと思います。

言い方は雑かもしれませんが、「短い時間でモチベーションを高めたい」という方や、「本一冊で、組織に最低限の変化でもいいから何か刺激を与えたい」という方にはぴったりの一冊です。

『モチベーション革命』の印象的なことば

ここからは、僕が『モチベーション革命』を読んで印象に残った言葉やタメになった内容をご紹介していきます!

マーティン・セリングマンが唱える5つの幸福

1.快楽(Positive emotion)

一言で言うと「ドーパミンを感じること」。

甘いものを食べる、好きな人と抱き合う、などで得ることができる幸福感のこと。

2.達成(Achievement)

与えられた目標をクリアしたり、誰にもできなかったことを成し遂げたりするときに感じる幸せ。

3.意味合い(Meaning)

自分がやっている仕事から、「大きな文脈の中で誰かに・何かに貢献できている」「自分の大切な人のためになっている」ということが実感できるかどうか。

4.良好な人間関係(Relationships)

「別に何も達成できなくていい。ただ、自分の好きな人たちと笑って生きていければいいんだ」という幸せのこと。

ちなみにセリングマンは、この「良好な人間関係」こそが、人の幸せの基礎であると位置付けている。

5.没頭(Engagement)

何かに夢中になる、そこから、自分が行うすべての作業に基準を設けて、その中で成長し続けること。


自分がどんなことから「幸せ」を感じるのかを分析してみると、自身のモチベーションを引き出す上で有効になるはず

 

ビジネスはプロデューサーの時代へ

時代が変わる」ということは、「働き方が変わる」ということにもつながる。

『モチベーション革命』では、食品業界を例にしています。

戦後の食料が足りていなかった時代において最も重要だったのは、「いかに安く広く食べ物を配れるか」でした。

その後の時代、家庭に十分な食料が届くようになると、「品質」が求められるようになります。「安全で高品質・もっとおいしいものを安く食べたい」と。

それらの「課題」が達成された現代では、「お肉を好きなだけ食べたいけど、同時に痩せたい」とか、「“映える”写真を撮りたい、SNSにアップしたい」とか、非情に個人的で細やかな欲求で溢れかえっています

よって、今の時代において必要なのは、先に消費者の潜在的な欲求を見つけ、「どう遊ぶか」までを提案してあげなければいけない

つまり、世の中の人たちの欲求に合った体験を“プロデュース”していくのが、これからの仕事と言えるのです。

 

「インサイト(新しい視点)」の発見こそ、今の時代のビジネスにおける必須事項である。

現代においては、「インサイト(新しい視点)」に基づいたユーザー目線のサービスを発信することが大切になってくる。

そんなインサイトを増やす一番手っ取り早い方法が、外部からの刺激を増やすこと。

実際に街を歩く、若者の声を聞くなど、世の中の「リアル」を感じることこそが、ユーザーが潜在的に求めているもの・インサイトを見つける最良の方法である。

 

これからは「ライフワークバランス」の時代。

今までは、仕事(ワーク)と余暇(ライフ)とを別にして考えていた「ワークライフバランス」の時代だったが、これからは、ワークの中のライフワーク(自分が好きなことを仕事としている状態)をいかに広げるかが大切である「ライフワークバランス」の時代である。

ただ忘れてはいけないのは、仕事と遊び(好きなこと)の境目がどんどんなくなっていく時代だからこそ、周囲からの信頼を得ること、すなわち、みんなが嫌がる仕事・地味な仕事も率先してすることもまた必要であるということだ。

まわりからの信頼を得ているからこそ、自分がより好きなことに専念する環境が整っていくということを、忘れてはいけない。

 

自分にはできないことをしてくれる人に対して、人は「ありがとう」という言葉をかける。

「ありがとう」という言葉は、漢字で「有ることが難しい」と書きます。つまり、自分には有ることが難しいから、それをしてくれた相手に対して「有り難い」と思う。だから「ありがとう」と言うのですね。

人は自分にはできないこと、なし得ないことに対して、いくらでもお金を払うのだ

 

非効率な「好き」こそが、これからの時代において大切な”武器“になる。

人工知能やロボットによって、医者の診察すらも代替される時代がくるかもしれない。

そんな現代・近未来において、人工知能にも代替不可能なもの、それは「嗜好性」である

言い換えると、「わたしは誰になんと言われようと、これが好きだ」という「偏愛」だ。

一つの答えを出したり効率重視な作業においては、人間はもはや人工知能には太刀打ちできない。

しかし、人間の嗜好性は言ってしまえば「非効率の塊」のようなものだ。

例えばファッション。

寒い日にあえて丈の短いスカートを履いたり薄着をするのは、非常に効率が悪い。

しかし、そこに人の嗜好性が加わるから、人はそうするわけだ。

誰ともかぶらないデザインのものを探したり、個性的なデザインのものを身に付けることにも、同じことが言える。

ゲームはどうだろうか。

昨今は「YouTuber」や「プロゲーマー」という職業が生まれ、ゲームをすることがお金を生むことに繋がるかもしれない。

ただ、そうではない人たちにとってのゲームは、ただその時間を楽しむだけの非効率な行為だ。

これからは「他人から見れば非効率かもしれないけれど、私はどうしてもこれをやりたい」という、偏愛とも言える嗜好性を、個人だどれだけ大事に育て、それをビジネスに変えているかが資本になっていくのです。

一見非効率に見える人間の「好き」を突き詰めて、その「好き」に共感する人が「ありがとう」とお金を払ってくれる。”偏愛・嗜好性の循環“こそが、残っていく

 

自分と違う人は、みな先生

人は、自分の理解の範疇を超える相手に対して、どうしても不安や恐れを抱いてしまうものだ。

ただ、「違いが生む価値」を理解すれば、相手の持つ性質を尊重できるようになる

大切なのは、他者に対する理解を広げようとすること

そして、それぞれの強みや好きなことを理解し、ひとりひとりの違いを認めること

インターネットの普及によって、自分が発進することが不特定多数の人の目に入る機会が増えた。

これによって、自分の発言や嗜好性を否定する人が増えるが、同時に、自分と同じ考え・趣味・好きを持つ人と出会う可能性もまた増えるといえる。

自分を理解してもらおうと一歩踏み出してみると、案外世間は耳を傾けてくれるものだ。

 

誰だって、最初にできることはほんの小さなこと。

単に自分が好きだったりすることで、他の人にはできないことをひたすらやり続けていたら、次第に活動範囲が広がったり、自分の「好きなこと」自体がバージョンアップして、価値がどんどん上がっていったのです。
誰だって、最初にできることは、ほんの小さなことです。しかし、それを夢中になって続けていれば、誰もが求める価値を持つことができるようになるのです。

 

イーロン・マスク『誰もが違和感を覚える課題こそ大切にしろ』

西欧圏では、「議論が巻き起こるところには、新しい何かが隠れている」と言われ、議論を巻き起こす話題(コントラバーシャル・controversial)は尊重される。

何も、気になったこと・違和感を覚えたことを何でも指摘しろというわけではない。

ただ、そういった“違和感”を自分の中にしっかりと残したり、意見が合う人たちのみ(頭ごなしに否定しない人たち)と共有したりすることで、新しいアイディアや進歩につながる。

 

「他人に迷惑をかけてはいけません」という呪い

自分の「好き」を貫くときのお邪魔虫。それは、今の日本人にかけられた「迷惑をかけちゃいけません」という“呪い”です。
ほとんどの日本人は、小さいころから両親や学校の先生にそう言われて育ってきました。そんな人々にとって、誰かに迷惑をかけることは「悪」です。だから、常に「他人から見てどうか(迷惑になっていないか)」を気にして生きているやがて他人の目線や他人の評価軸を取り込むことに慣れきった人々は、何か行動を起こすときも、自分がどうしたいかより、他人から見てどうか、他人に迷惑をかけないかを一番気にしてしまいます

もし、誰かに迷惑をかけてしまったら、そのぶん「ありがとう」と言ってもらえる行動を起こせばいい。

そして、誰かに「ごめんなさい」と言われたら、笑顔で「おたがいさま」といって受け止め受け入れられるだけの器を持とう。

これと似たような話で、以前どこかで「周りの人たちは自分が思っている以上に自分を見てはいない。ただ、絶望するくらいに見ていないわけでもない」という言葉を見たことがあります。

僕は、前半部分の「人は自分が思っている以上に自分を見てはいない」というところをポジティブに捉え、かなり気が楽になったことを覚えています。

つまり、「これをしたら周りの人たちはどう思うだろう」とか、「今これを言ったらみんなは俺をどう思うだろう」とか、そういうことを気にしなくなったのです。

「まぁどう思われたって、明日にはみんな忘れているだろ」「まわりの目ばかり気にしてちゃ、カッコ悪いよな」と思うようになりました。

他人の目ばかりを気にして「自分を表現すること」を躊躇う必要はないと、僕は思っています。

 

「評価」や「評判」が可視化される社会

UberやAirbnbといったシェアリングの文化が世界中で広まり、現代では多くのコト・モノ・サービスに対する評価が、「レビュー」や「星」といった形で可視化されている。

人によってはこのように評価・評判が一瞬で世界中に広まってしまう状況を「監視社会の幕開け」だと捉えるかもしれないが、筆者は「コツコツが報われる世界」だと言っている。

あなたが自分の「好き」に打ち込む姿も、きっと誰かが共感して応援してくれます。
好きなことに打ち込む熱量は、見ている人を元気にします。これがAIやロボットによってあらゆる作業が効率化されていくなかで、人に残された大事な役割です。

  

世の中には、どんな需要があるかわからない。

(「メルカリで使いかけの口紅が売られている」という話題から、)
インターネットは、あなたにとってはいらなくなった口紅の色を、必要としている誰かと、あなたをつなげてくれる。つまり、あなたにとっては“この色はいつも使えなくてしまっておくしかないなと思える”ようなものでも、“「好き」って言ってくれる人がいるのか分からないようなもの”でも、それを「ありがとう」と言って受け取ってくれる人を見つけることができるということです。
世の中には、どんな需要があるか分からないものです。インターネットを通じて使いかけの口紅を売ってみる気軽さだ、あなただけの「好き」をどんどんさらしていきましょう。やがて、周りから「ありがとう」と言われ続ける、あなただけの色が見つかります。

自分の「好き」が周りから共感されるか、必要とされるかわからなくても、周りがいいねと言ってくれるかわからないことでも、どんどん発信し提供していけば、やがて「わたしも好き」「それが必要だ」と言ってくれる人が見つかり、持続的に「ありがとう」がもらえるようになる。

  

「新しい意味」の提供こそが、現代の新しいビジネスのあり方。

新海誠監督の2本の大ヒット映画『君の名は。』と『天気の子』は、どちらも圧倒的な絵と音楽の美しさのみならず、複雑なプロットや伏線、世界観の理解をどう解釈したかや自分にとっての意味合いを語り、シェアしたくなる作品だったとも言える。

自分の解釈をシェアし、他者の解釈に触れる。

「そんな見方があったのか!」「そんな細かな表現が…!」といった気づきが「新たな発見」、つまりは「新しい意味の提供」となり、それを確認し、自分の解釈を上書きせんと再び劇場に足を運ぶ…。

プロジェクションマッピングや夜のライトアップも、「新しい意味の提供」にあたる良い例でしょう。

普段何気なく利用する施設、歴史ある寺社仏閣などに「新しい意味」や「新しい価値」を見出していますよね。

この『君の名は。』や『天気の子』、プロジェクションマッピングの例のように、既存のモノに「新しい意味」を提供することで「今あるものが全く違う魅力あるものになる」という表現法こそ、生まれたときから周囲がモノで溢れていた現代の若い世代(「乾けない世代」)が大好きな、新しいビジネスのあり方である

そして、世の中の人にとって「新しい意味」をもたらすものは、人との違いやズレから生じる「好き」や「歪み」であり、その源泉は、自分が追い求める「信念」や「WHY」にあるのだ。

 

「Ikigai(生きがい)」とは…

「Ikigai(生きがい)」とは、「That which you love(あなたが大好きなこと)」「That which the world needs(世界が必要としていること)」「That which you can be paid for(あなたが稼げること)」「That which you are good at(あなたが得意なこと)」の4つの点が交わるところに生み出されるものです。

「ライスワーク」を、「ライフワークに自分が没頭できるためのお金と時間とリソースを生み出すもの」と捉えてもいいでしょう。それくらい割りきって、平日は目の前の仕事に集中して、お金を稼ぐ。そして、帰宅後や週末になったら、「ここからはライフワークの時間だ」と切り替え、好きなことや自分が得意なことに時間を投資し、磨いていく。
そうしていくうちに、「好き」が「得意」になり、「お金」になり、「世界が求めること」に合致したとき、4つの点が重なり、「生きがい」で稼げるようになっていきます。そして、「ライフワーク」での稼ぎが、「ライスワーク」に頼らなくてもよくなってきたころ、あなたが「生きがい」を追求して生きていく人生が本格スタートしていくのです。

 

自分の「生きがい」を探すとき、はじめは誰だって孤独。それでも…!

自分が好きなことを探し出すとき、どこからともなく、こんな声が聞こえてくるかもしれません。
「そんなことしたって誰にも認められない」
「そんなことお金にならない」
「そんなことが好きだなんて、みんなからは白い目で見られるよ」
不思議なことに、誰にそれを言われなくても、自分で自分にそうささやいてしまうものです。それはもしかしたら、大人になっていく過程のなかで、誰かが悪気なくあなたにかけた“呪い”なのかもしれないし、傷ついたり失敗したりするのが怖くて、いつしか自分でかけた制限なのかもしれません。
でも大丈夫。あなたが心底楽しそうに没頭し、それが少しずつ形になっていく背中を見ているうちに、周囲の人はだんだんと巻き込まれ、応援してくれるようになります。

  

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『モチベーション革命』のまとめ

今回の書評では、尾原和啓さんの『モチベーション革命』をご紹介してきました!

「こういうことをしてみたいんだけどな…」「こんなことをしたいけどきっと反対されるだろうな…」というふうに、「何かやりたいことがあるけど、あと一歩が踏み出せない人」や、「漠然としたいことはあるけど行動に移せない人」、「漠然としたモヤモヤがここしばらく心に広がっている人」が、“あと一歩”を踏み出すための本と言えると僕は感じています。

自分と向き合うことはした。あとは進む勇気だけ。

そんなあなたの背中をそっと押してくれる一冊に、この『モチベーション革命』はなってくれるはずですよ!