みなさんこんにちは! 観光情報サイト「旅狼どっとこむ」の旅狼かいとです!
今回の記事では、僕自身が合格した体験に基づいて世界遺産検定2級の勉強法をご紹介していきます!
検定の基本的な内容から具体的な勉強方法まで、実際に勉強し、95点という高得点を獲得できたからこそわかる部分を細かくお届けできればと思い、この記事を書きました。
趣味として取得するもよし、1級に挑戦するためのステップとして受験するもよし。
いきなり2級を受験する方にも、3級からのステップアップの方にも利用できる内容となっています。ぜひ参考にしてみてください!
世界遺産検定2級の概要
まずは世界遺産検定2級の概要からご紹介します。
受験資格
世界遺産検定は5・4・3・2・1級、さらにその上にマイスターというレベルが設けられています。
このうち2級までは誰でも受験でき、1級は2級を取得していること、マイスターは1級を取得していることが受験条件となっています。
つまり、世界遺産検定2級は誰でも受けることができる最高位の級ということになります。
形式
世界遺産検定2級は全60問すべてが選択式です。
制限時間は60分。余裕を持って合格点を取りたいのであれば、この時間は余るのが理想です。
合格点
世界遺産検定2級の合格点は、毎回100点満点中60点以上です。
公式サイトには「調整されることがある」と書かれていますが、基本的に調整はないと考えましょう。合格のためには、過去問で70点以上取れることを最低目標に勉強するのが良いでしょう。
合格率と難易度
合格率は毎回60%前後となっていますが、ここ数年は回によってばらつきがある印象です。
それでも合格点は60点で固定されているので、合格率や難易度を気にするよりも「過去問で60点以上を確実に取る」ということをとにかく意識しましょう。
難易度の感じ方は、もちろん人によるとは思います。しかし、世界遺産検定の問題に理不尽なものはほぼありませんし、2級までの問題は点数を取らせようとしている問題が多いと個人的には感じています。
しっかり勉強すればその分点数にもしっかり反映されやすい、良心的な検定だと思います!
出題範囲
世界遺産検定2級の出題範囲は、
・世界遺産の基礎知識
・日本の全世界遺産
・世界の代表的な世界遺産300件
です。
日本の遺産は(ⅰ)〜(ⅹ)までの登録基準についてや赤字や太字以外も普通に出題されるので、何度も何度もテキストを読み込むことが大切です。
問題の出題比率
問題の出題比率は以下のようになっています。
世界遺産の基礎知識 | 20% |
日本の遺産 | 25% |
世界の文化遺産 | 35% |
世界の自然遺産 | 10% |
その他 | 10% |
出題傾向からわかる対策方針
世界遺産検定と聞くと「世界中の世界遺産がクイズのように出てくる」と多くの方が思いがちです(僕も対策を始めるまでそうでした笑)。しかし上の表からわかるように、検定の問題は「基礎知識」「日本の遺産」「その他」が55%を占めているのです。
対してテキストでは、この3つのジャンルはたったの3割程度しか解説されていないのです。
2級の合格点は正解率60%の60点ですから、効率よく合格したいという方は「基礎知識」「日本の遺産」「その他」の3つのジャンルをしっかりと勉強するのが一番大切であるということを意識しておきましょう。
「その他」とは?
ちなみに、「その他」というジャンルは無形文化遺産や時事問題を指していると思われます。
時事問題は試験日からもっとも近い前後の世界遺産委員会についてよく出題されます(2022年の検定なら、2021年のものと2022年のもの)。中でも、開催地や議長国、登録件数や危機遺産リストの更新についてが頻出です。日本の遺産については暫定リストや無形文化遺産からも出題されるので、テキストやネットの情報を細かくチェックしておきましょう。
また、オンライン開催や延期など、特殊な事情がある場合も要チェックです。
👆 2020年の世界遺産委員会は新型コロナウイルスの影響で延期し、結局2021年のオンライン開催に吸収(もともとは中国の福建省で開催予定だった)。2022年の世界遺産委員会はロシアのカザンで行われる予定だったが、ロシアのウクライナ侵攻を受けて延期と、ここ数年は時事問題の宝庫となっています。。
無形文化遺産はテキストにコラムとして載っていますが、時事問題は自分で調べる必要があります。テストの数日前に「20〇〇年(受ける年度) 世界遺産」「20〇〇年(受ける年度) 世界遺産委員会」とググって情報をしっかりと集めましょう。
たまに「時事問題は捨てる」という方がいますが、過去問を解けばどういう情報を集めればよいかわかります。むしろ「ほぼ必ず出る範囲」ですから、ここは得点源にすることを個人的にはオススメしたいです。
日程・会場試験とCBTの違い
世界遺産検定2級は毎年、決められた日に紙とマークシートで解答する公開会場試験と、好きな日時を選び指定のテストセンターでパソコンを使って受験するCBT試験の2つの形式で行われています。
公開会場試験
【日程】
7月上旬〜中旬・12月中旬の年2回、指定の日時に受験する
【受験料】
5,900円
【合否結果】
約1ヶ月後にマイページで閲覧可能
CBT試験
【日程】
2月下旬〜3月中旬・6月中旬〜7月上旬・8月下旬〜9月中旬・11月下旬〜12月中旬の4回、期間中の好きな日時と場所から選択して受験する
【受験料】
6,900円
【合否結果】
その場で合否を確認可能(通知や合格証は会場試験と同じように後日配送)
会場試験とCBT、どっちがオススメ?
まず、そもそも会場試験が行われる日の都合が合わないという方はCBT一択になります。また、会場までいくのが遠く、CBT会場の方が行きやすいという方もCBT受験を考えるのが良いでしょう。
それ以外の方は、紙の問題冊子と鉛筆でマークシートに書きながら答えたいか、パソコンでカチカチやりながら答えたいかを選ぶことになります。
僕は、2級を会場試験で、1級をCBT試験で受験しました。
学生時代の感覚がいまだ残っているせいか、大人数が集まって紙と鉛筆を使う会場試験の方が馴染みはありましたが、CBTでも特に問題なく解答することができました。パソコンだからといって気が散ることもなかったですし(一人一人ブースに分けられています)、メモ用紙も配られるので手元で何かを書くこともできます。
ただ、CBTはパソコンで問題を読んでいくためところどころ読みにくかったのは事実ですし、選択肢に印をつけることができないのは少し解くにくかったです。また、問題冊子を持ち帰ることができないので、試験後に自己採点をすることができません。
無難に紙とペンで解答したいという方、1,000円多く払って自由な日時と場所を選んでパソコンで受験する必要がないという方は、会場試験を選ぶことをオススメします。
世界遺産検定2級 オススメの勉強法
それではここから、世界遺産検定2級合格のための具体的な勉強方法とその流れについてお話ししていきます。
①まずはテキストを準備する
何はともあれ、まずはテキストを用意します。
世界遺産検定の対策には、公式が出版しているものを利用するのが一番です。(というか、他に対策のしようがありません。笑)
2級用のテキスト『くわしく学ぶ 世界遺産300 世界遺産検定2級公式テキスト』と『世界遺産検定 公式過去問題集』を購入しましょう。
ここでの注意点は「必ず最新のものを購入すること」です。
世界遺産は毎年更新されていきますから、テキストの内容は改訂されるごとに変わっています。また、300件に含まれる遺産も変化しています。
検定自体も年々難易度が上がっているように感じますし、出題形式も若干変化している印象です。最新のもので対策するのがオススメです。
2級は過去問1冊に4回分収録されているので、基本的には最新の過去問が1冊あれば十分です。
②いきなり過去問を解いてみる
テキストを購入したら、早速過去問を解いてみましょう!
もちろん、ここで合格点を取る必要なんて全くありません。なんだったら、途中でやめてしまってもOKです。
最初に過去問を解く目的は「どんなふうに問題が出るのかを確かめる」ことにあります。
問題を解けば、「世界遺産の基礎知識や日本の遺産がどのように問題になっているか」などを体感することができます。この体験を得ておくことで、ただボーッとテキストを読むことなく、よりポイントを意識して読み進めやすくなります。
ちなみに、過去問の解答やメモはテキストには書き込まないよう注意しましょう。解き直す際に邪魔になりますからね。
③テキストを読み進める(まずは1周)
いよいよここからが勉強の本番。テキストを読み進めていきます。
問題はあくまで選択式です。最短で合格を目指すのなら、一言一句丁寧に読み込んで暗唱できるように覚えるのではなく、とにかく回数をこなして”なんとなく”わかるようになっていくのがオススメです。
一度に90%や100%の暗記を作っていくのではなく、50%、60%、70%…と回数を重ねることで完成度を積み上げていくイメージです。そしてこれを短いスパンでまわしていくのが最も効率が良いのです。
しかし、ただボーッと読んでいるだけでは頭に入らないという方もいるでしょう。
その場合は、キーワードを紙に書き出してみたり、過去問を解いたときを思い出してマーカーで線を引くのが良いでしょう。
④「過去問を解く→テキストでチェックし直す」を繰り返す
とりあえず1周テキストを読んだら、改めて過去問を解いてみましょう。
最初に解いた問題の内容をほとんど覚えていないようならもう一度同じ問題を、内容や解答を覚えているようであれば次の回の問題を使用します。
このときもまだ合格点に届かない方が多いはず。しかし、最初のノー勉で解いた時に比べれば「あー、なんかあったな〜」という感覚が増えているはず。
その曖昧な記憶を、冒頭の地図や索引で検索しつつテキストで補完していきます。このタイミングで、苦手な分野や区別するべき知識をまとめて、より暗記しやすい体制を整えていきましょう。
ここまで、できれば試験2週間前までに済ませたいです。そして遅くても1週間前までには初見の過去問で50点は取りたいです。
⑤「知識の穴を埋める→過去問を解く」を繰り返す
残りの期間は、ひたすらテキストを周回してしつつポイントポイントの暗記を進め、自分なりに手応えがあるタイミングで過去問を解いていきます。そして、ミスをした知識をチェックし直し、再度暗記を進めます。
このサイクルをひたすら進め、前日か前々日に過去問を解いて70点以上あれば自信を持って当日に挑むことができます。
2級の過去問は、1冊に4回分収録されています。1回分を2度解くことで合計8回演習できます。
直前に完全初見の問題を解きたい方は一番最新の回のものだけ取っておいて、残りの3回を2回解いていきましょう。
特に意識したい勉強法
基本的な勉強法の流れは以上になります。次に、①〜⑤の流れの中でさらに意識するとよい点をここではまとめていきます。
その1. 「世界遺産の基礎知識」と「日本の遺産」は読み込む
「出題比率からわかる対策方針」にも書いたように、「世界遺産の基礎知識」と「日本の遺産」についてはガッツリと読み込むのが合格のカギです。
逆に「世界の遺産」については、まずは赤字と太字をしっかりとインプットし、余裕があれば全体の文章をチェックしましょう。
その2. 「文化的景観」と「危機遺産」は頻出
2級は出題範囲が300件の分、出題傾向が毎年似ています。中でも「文化的景観」と「危機遺産」については毎回何かしらが出題されると思って準備しましょう。
どちらも、「世界遺産の基礎知識」の範囲としても「世界の世界遺産」の範囲としても出題されます。
文化的景観の遺産は見出しでまとまっていますが、危機遺産は散らばっています。危機遺産については赤字や黒字になっていなくても、テキストに危機遺産リストに記載された理由や経緯が書かれている場合はチェックしておくとなお良いですよ!
その3. 民族・人名・王朝・様式の区別も重要
文化的景観や危機遺産と合わせて、民族や人名、王朝や様式の区別も毎回の試験で頻出です。
人によってはこういったややこしい範囲は”捨てる”という方もいますが、僕の感覚としては「出る可能性が高い範囲であれば対策して確実に取りに行くべき」です。
範囲が全遺産になる1級であれば話は別ですが、2級の数であれば頑張って覚えたいとことですし、今後1級を受けることも考えているのであれば、2級を勉強するタイミングで覚えておくと1級の勉強が少し楽になりますよ!
その4. 頭に入らないなら写真をググる
世界の遺産の中には、写真や場所が載っていないものも多いです。文字だけだとどうしても頭に入りにくいですし、勉強している感じが強くなってしまうこともあるでしょう。
そんな時は、ぜひ画像をググってみましょう!
「こんなところがあるのか〜」「こういう世界遺産もあるのか〜」と印象付けば、暗記も捗りますし気分転換にもなりますからね!
その5. 綺麗に勉強しようとしない→時間を有効活用する
世界遺産検定のみならず、検定や試験を受ける際に”綺麗に”勉強しようとする方をよく見かけます。例えば、綺麗にノートに書き直したり、パソコンやiPadのノートアプリを使ってまとめたり、ですね。
「趣味として世界遺産を知りたい」「2級まで取れれば十分」と考えているのであれば、そういう勉強法で問題ないと思います。
しかし、「まずは合格するために勉強したい」「2級は1級へ挑戦するための足掛かりなだけ」という方は、体裁にこだわりすぎると余計な時間を費やすことになります。
2級合格のために必要なことは、「とにかくテキストを周回し、読み込むこと」に尽きます。
テキストは決して厚くないですし、問題は選択式です。短いスパンで繰り返して知識を少しずつ積み重ねていくのが、何だかんだで最も効率が良いのです。単純接触効果みたいなものだと思ってください!笑
ですので、もしまとめるのであれば「自分がよく間違うもの」や「ポイントになりそうなところ」だけをピンポイントでまとめるのがオススメです。
僕の場合は、よくごっちゃになる区別したい知識をGoodNotesのフラッシュカードを使って暗記したり、「現在の登録件数」や「時事問題」は別の紙にまとめたりしていました。
世界遺産検定2級に合格するための勉強時間
最後に、世界遺産検定2級に合格するための勉強時間についてお話しします。
まず僕の勉強時間は以下の通りです。
【試験日:12月12日】
・10月:テキスト-約7時間
・11月:テキスト-約12時間
・12月:テキスト-約30時間、問題集-6回分(うち2回は解き直し)
⇨ 合計:テキスト-約49時間、問題集-6回分
1ヶ月の場合:一日約1.7時間
2週間の場合:一日約3.5時間
一応こういった旅行系のブログを書いている身ですし、学生時代は地理が得意分野だったこともあり、僕の勉強時間は少なく済んでいる方だと思います。
もともと旅行が好きな方や3級から継続して勉強していてある程度知識がある方、がっつり時間を確保できる人であれば2週間〜10日前からでも間に合うと思います。
しかし、まるっきり初めての世界遺産検定だという方、これから旅行や海外に興味を広げていきたいという方は、最低でも1ヶ月準備しておくのが無難だと思います。
世界遺産検定2級の勉強法 まとめ
ということで今回は、世界遺産検定2級の勉強法や難易度、勉強時間についてお届けしてきました!
あくまで趣味レベルの検定ではありますが、自分の知識が深まりますし、話のネタにはなります。何より、世界遺産を知ることで旅行がもっともっと楽しくなること間違いなしですからね!
この世界は、自分が知らないことでまだまだ満ちています。ぜひ世界遺産検定を通じてこの世界のことを知り、新たな世界の扉を開いてみてくださいね!
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