みなさんこんにちは!観光情報サイト「旅狼どっとこむ」の旅狼かいとです!
今回は和歌山県でも屈指の歴史を誇る「淡嶋神社」の見どころやご利益、噂についてご紹介していきます。
すぐ近くに「ラピュタ島」で知られる「友ヶ島」があるので「ついでに行ってみよう!」という方も多いかと思いまますが、淡嶋神社は境内に人形がぎっしりと並んでいる様子や「地下に”髪が伸びる人形”がいる」と噂されることから、「怖い」「心霊スポット」とも言われる曰く付きの神社なのです。
友ヶ島・淡嶋神社へ行く方へ、さらに淡嶋神社観光が面白くなる情報をお届けしますので、ぜひご覧になってください!
淡嶋神社の見どころ
早速、淡嶋神社に行ったら注目したい見どころからご紹介します!
人形供養
淡嶋神社最大の見どころといえば、境内の至るところにびっしりと並べられている人形ですね!
2万体以上あると言われるこれらの人形は、すべて供養のために奉納されたもの。雛人形や市松人形、フランス人形などが多く置かれていますし、人形以外にも信楽焼の狸の置物や招き猫、福助人形などといった郷土玩具も並べられています。その様子は本当に圧巻です。
毎年3月3日の雛祭りの日には、白木の舟に乗せて加太の海に流す「雛流し」が行われるのも非常に有名ですね!
心霊スポット・髪が伸びる人形
あまりに多くぎっしりと並べられている人形は、見方によっては不気味に感じる人も多いでしょう。
実際、マスコミが「心霊スポット」と取り上げたり、「地下室に”髪が伸びる人形”が置かれている」という噂まで存在しているのです…!
真偽は果たして、、
針供養
人形で有名な淡嶋神社ですが、女性のご利益・子育てのご利益が転じて裁縫や針仕事のご利益もあるとされています。
このことから、実は針供養でも人気なのです!
境内には針塚が建てられており、毎年2月ごろになると全国から針が集まるそうですよ!
この時期に淡嶋神社に行くのであれば、ぜひみておきたい見どころですね!
パンツ奉納
淡嶋神社にはなんと、子授け祈願のために下着を奉納する場所まであるのです!
元々は、絵馬と自分の髪の毛など体の一部を奉納していたようですが、今では「一度身につけた下着」を奉納する風習になったそう。
さすがに撮影禁止スポットになっているのですが、ここまでやっていると確かにパワースポット感がありますね…!
淡嶋神社の歴史と伝説
ここからは、淡嶋神社に行く前に知っておくとさらに観光がおもしろくなる情報をお届けしていきます!まずは淡嶋神社の歴史と伝説についてです。
神功皇后と友ヶ島
その昔、三韓出兵から帰国の途についていた神功皇后は、瀬戸の海上で激しい嵐に遭ってしまいます。沈みそうになる船の中で神に祈りを捧げると、次のようなお告げがありました。
「船の苫を海に投げ、その流れのままに船を進めよ」
神功皇后がその通りに船を進めると、無事に嵐を抜け、友ヶ島に着くことができたのです。
友ヶ島には少彦名命と大己貴命が祀られていたことから、神功皇后はこの二神が自分を導いてくれたのだと感じ、助けていただいたお礼として宝物を備えたといいます。
仁徳天皇と友ヶ島
何十年か経ち、神功皇后の孫「仁徳天皇」が友ヶ島に狩りに来ました。
この時に、祖母である神功皇后と友ヶ島の関係を聞き及び、「島では何かとご不自由であろう」と、友ヶ島にあった少彦名命と大己貴命の社を、対岸の加太に移したのです。
この際に建てられた社殿こそが、淡嶋神社だとされているのです。
淡嶋神社のご利益と祭神
続いては、淡嶋神社のご利益についてです。
婦人病治癒・安産・子授け、裁縫の上達など、女性に関するご利益をもつのが淡嶋神社です。ですので淡嶋神社、「女性のためのパワースポット」と呼ばれることも多い神社になります。
祀られている「淡島神」は、社伝では少彦名命と同一視されています。しかし別の伝承では、航海を守護する「住吉三神」の”妃神”であるとも言われています。
住吉三神の妃神としての淡島神は、自らが婦人病にかかったことで淡島に流された過去をもつ女神です。そこで自らの婦人病を治し、婦人病の人々を救う誓いを立てたのです。
「現在の淡嶋神社が”女性のためのご利益”を有するのはこの言い伝えからなのだ!」という主張も根強いそうですよ!
淡嶋神社の祭神
淡嶋神社の祭神としては、創建伝説にも登場する「少彦名命」と「大己貴命」に加え、「息長足姫命」という諱を贈られた「神功皇后」も祀られています。
少彦名命
「少名毘古那神」や「須久奈比古命」などとも書かれる少彦名命は、『古事記』では「神産巣日神の子」、『日本書紀』では「高皇産霊神の子」、系図史料では「天湯河桁命の子」とされる神様です。
『古事記』によると少彦名命は、大国主神(大己貴命)の国造りの際に登場します。
天乃羅摩船(「ガガイモの実」とされる)に乗り、鵝(「蛾」とされる)の皮の着物を着て彼方より来訪。親神である神産巣日神の命によって大国主と義兄弟の関係となり、国造りに参加した神として描かれています。
『日本書紀』の場合は、「ミソサザイの皮の着物」を着ている違いはありますが、「国造りに参加した神」という立ち位置は変わっていません。
国造りの逸話をはじめ、少彦名命は大己貴命(大国主神)とともに描かれていることが多いのが特徴です。
「この世界を作り出す手伝いをした」という逸話からか、少彦名命は、常世の神や医薬の神、穀物・酒造・禁厭・知識・温泉・石の神など、非常に多様な性質を持ちます。
また、体が非常に小さく描かれていることから、御伽草子の一寸法師や『コロボックル物語』におけるコロボックルなどのルーツとも言われています。
淡嶋神社では「医薬の神」の側面が転じて、婦人病治癒・安産・子授け、裁縫の上達、人形供養など、女性に関するあらゆることに霊験のある神「淡島神」として祀られています。
カエル信仰
ちなみに、、淡嶋神社の境内には「カエル」の像がめちゃくちゃたくさんあります。この理由は、少彦名命の使いが蛙であるとされているからです。
名前の音から生まれた信仰
日本では「かえる」の音から「帰る」や「変える」と捉えられることが多いです。
例えば「お金が帰る」と考えれば、「使ったお金がたくさんの友だちを連れて帰って来る」と言われていますし、「無事に帰る」や「福が帰る」、「若返る」とも解釈できます。
「何か”帰ってきてほしい”こと」があれば、カエルのご利益をいただくのが良いでしょう。
また、辛い状況にあるときに「いい状況へ変える」と考えられますし、心機一転したいときは「自分を変える」と捉えることもできます。
生態系から生まれた信仰
音からだけでなく、カエルは生き物としての特徴からも信仰が生まれています。主なものを3つ取り上げます。
一つ目は、「雨」や「水」に関わる神聖な存在としてのカエルです。これは、カエルが雨が降る前に鳴くことから「雨乞い」の役割から連想されたと考えられています。
二つ目は「仕事運アップ」です。これは、前にしか跳ぶことができないカエルになぞらえていると言われています。
「何があっても挫けず、屈することなく突き進む」という意志を表せる生き物なのですね!
そして三つ目は「復活・多産の象徴」です。海外でのカエル信仰でよく見られるご利益ですね。
これは、カエルはたくさん卵を生むという生物的特徴が由来していると考えられています。
特に古代エジプトにおいては、“カエルの頭を持つ女神”「ヘケト」がいるほどですし、水が神聖なもとして信仰されるバリ島におけるカエルは、「聖なる生き物」「神様の使い」とされているのです。
ローマの支配下に入った時代のエジプトでは、「冬眠から復活する」という側面が強調されたことで、「再生・復活のシンボル」にもなっています。
女性にとっては、安産・多産の女神として、男性にとっては、再生・復活のシンボルとして、カエルは信仰の対象となったわけですね!
淡嶋神社も「女性守護」「女性のためのパワースポット」ですから、ある意味一番最後の「多産の象徴」が結構しっくりくると個人的には感じます。
大己貴命
大己貴命は「大国主神」という名前であれば、知っている人も多いのではないでしょうか!
「地に現れた神」の総称である「国津神」の主宰神で、少彦名命とともに葦原中国を造った「国造り」と天照大神の命に従い、瓊瓊杵尊に葦原中国を譲って隠遁した「国譲り」の神話で知られています。
少彦名命と同様に、国造りの神としての性質や医薬の神としてのご利益を持ちます。
また、大己貴命は多くの女神との間に子を残しているのが特徴です。
その女神の中に多紀理毘売命や神屋楯比売命がいます。彼女たちは「航海の安全を護る三女神」や「水の三女神」とされる「宗像三女神」のうちの二神です。(宗像三女神としては、多紀理毘売命=沖津宮の「田心姫神」神屋楯比売命=中津宮の「湍津姫神」とされます)
こうした関係性からも、大己貴命が海に浮かぶ島に祀られていた可能性を推測できそうですよね!
息長足姫命
息長足姫命は、少彦名命と大己貴命が祀られている友ヶ島に供物をした「神功皇后」に死後、贈られた名前になります。夫である仲哀天皇が崩御してから息子の応神天皇が即位までの約70年間、日本で初めての摂政として日本の最高位に君臨したとされる女性です。
神からの信託を受ける巫女的な女性でありながら、仲哀天皇のあとを継いでからは、現在の九州に本拠地を構えて大和政権に敵対したとされる熊襲を討伐し、大和王権の全国制覇を完了させています。
さらにその後、朝鮮半島の新羅・高句麗・百済に攻め入る「三韓征伐」を行います。この際、神功皇后はお腹に子供(のちの応神天皇)を孕っていたものの、男装をして前線で戦ったとされています。
このように、女性でありながら軍事・政務に大活躍を果たした神功皇后。淡嶋神社が女性に関わるご利益を有している最大の起因は、この息長足姫命こと神功皇后にあるのかもしれませんね!
淡嶋神社の時間・アクセス
参拝時間
9:00 ~ 17:00
お祓い
11:00~・13:00~(予約制)
安産、子授け、身体、厄除け、良縁、商売、学業、初宮、交通安全など
人形受付
9:00 ~ 16:00
※仏滅の日すべて、12/20~1/3 、2/20~3/3は受付不可
駐車場
有料駐車場あり
(駐車券を授与所に提示すると30分ぶん割引してくれるとのこと)
アクセス
加太駅から徒歩約20分
駅からは「友ヶ島フェリー乗り場」の方へ進むとよいです
加太駅までは、和歌山市駅から南海加太線で26分です
淡嶋神社 まとめ
今回は和歌山県より淡島神社をご紹介してきました!
「ラピュタ島」こと「友ヶ島」への観光の”おまけ”になりがちな淡嶋神社ですが、人形供養に針供養、そしてパンツ供養と、ここでしか見られないものが目白押しです。
ぜひ和歌山県に旅行した際は、この淡嶋神社に足を運んでみてくださいね!
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