みなさんこんにちは!観光情報サイト「旅狼どっとこむ」の旅狼かいとです!
今回は植物のお話。「あやめ・杜若・花菖蒲・しょうぶの違い」をお話していきます。
というのも、この花々は見頃が同じ時期で、かつ見た目がよく似ていることで知られているのです。観光の際に「これは杜若(かきつばた)なのだろうか、あやめなのだろうか?」と悩むことも多いはず。
おまけに、「あやめ」は「菖蒲」と漢字で書くのですが、「花菖蒲(はなしょうぶ)」とはまた違ったもの。そして、「花菖蒲」と「しょうぶ」も違うものというカオスっぷり。笑
そんなわけで、今回の記事ではそれぞれの植物の特徴と見分け方をお伝えします!
あやめ(菖蒲・綾目・文目・アヤメ)の特徴
まずは「あやめ」の特徴から。菖蒲・綾目・文目と、漢字表記の種類が豊富な植物です。
どんな葉っぱ?
葉脈は目立たず、幅が細く硬い
どんな花?
垂れ下がった花びらの根元・中央に網目模様がある
咲く場所はどこ?
畑や草原など乾燥した場所に群生
いつが見頃の時期?
例年、5月上旬に花が咲く
その他の情報
英語の「アイリス(iris)」は基本的には「あやめ」を指します。
杜若(燕子花・かきつばた・カキツバタ)の特徴
続いて「杜若」の特徴です。漢字では「燕子花」とも書かれます。
どんな葉っぱ?
葉脈が目立たず、葉の幅が広く柔らかい
どんな花?
花びらの根元・中央に白い剣型の模様がある
咲く場所はどこ?
湿地に群生
いつが見頃の時期?
例年、5月中旬に花が咲く
その他の情報
愛知県の県花。
『伊勢物語』において在原業平が、現在の愛知県知立市八橋にあたる三河国八橋で杜若の和歌を詠った場所とされることに由来しています。
花菖蒲(はなしょうぶ)の特徴
「花菖蒲」にはどんな特徴があるのでしょうか?
どんな葉っぱ?
葉脈がはっきりしており(面に1本、裏に2本)、細長い
どんな花?
花びらの根元・中央に黄色い剣型の模様がある
咲く場所はどこ?
浅い水辺などの湿地に群生
いつが見頃の時期?
例年、5月中旬~6月下旬に花が咲く
しょうぶ(菖蒲)の特徴
最後に「しょうぶ」の特徴です。
前提の大きな違い
あやめ・杜若・花菖蒲が「アヤメ科」なのに対し、しょうぶは「サトイモ科」です。5月5日の端午の節句に入る「菖蒲湯」に使われる「葉菖蒲」はサトイモ科の「しょうぶ」のこと。
どんな葉っぱ?
つやがあり、香りが強い。また、基部が淡い紅色を帯びている
どんな花?
淡い黄緑色の楕円形
咲く場所はどこ?
池沼やため池など水辺に群生
いつが見頃の時期?
例年、6月上旬に花が咲く
あやめ・杜若・花菖蒲の見分け方
こうして写真と共に特徴を文字にすると、なんとなく違いを感じられるのではないでしょうか? 正直「しょうぶ」は確実に見分けることができると思います。笑
ただ、あやめ・杜若・花菖蒲は実際に目の前にすると、まだまだ見分けるのが難しそうですよね。なのでお次は、「あやめ・杜若・花菖蒲」の見分け方を、見るべきポイントごとにご紹介します!
①花びらの付け根を見る
直接花を観察できるのであれば、「花の付け根」を確認してみましょう。
網目状の模様があり、色が黄色と白の場合が「あやめ」
白い筋があれば「杜若」
黄色い筋(と白い線模様)があれば「花菖蒲」
と見分けることができます。
花に詳しい方はこの見分け方が一番わかりやすいそうなのですが、個人的には、「あやめ」の網目模様が黄色いことが多いために「花菖蒲」との見分けがちょっと難しい気がしました。。
②咲いている時期に注目する
次は「咲いている時期」を考えてみましょう。
例年の開花が早い順に並べると、
あやめ→杜若→花菖蒲
となります。
見頃を比べると、
あやめが5月上旬〜中旬、
杜若が5月中旬〜下旬、
花菖蒲は6月中
となります。
このことから言えるのは、ゴールデンウィークに見ることができる花は基本的には「あやめ」で、「杜若」が少々あるかもだということでしょう。逆に、梅雨に入って雨が多くなってきた時期には「あやめ」は咲いていないということにもなります。
③咲いている場所を観察する
最後は「咲いている場所」に注目する方法です。
最もわかりやすいのは「あやめ」です。あやめは菖蒲も加えた今回比較している4種の中では唯一、花が「陸地」に咲きます。ですので、水気がない場所にあやめ(アイリス)の見た目をした花が咲いていたら、それは正真正銘の「あやめ(文目)だと思ってOK!
一方、「アイリス」と紹介されながら水辺に咲いていたら、それは「杜若」か「花菖蒲」のどちらかです。杜若の方がより水中を好むそうなので、「どれくらい池の中心に近いか」で判断すると良いでしょう。
あやめと花菖蒲の区別がポイント
こうしてまとめると、花の見た目は「杜若」が一番わかりやすいですね!なので、まずは花を見て「杜若かどうか」を判断するのが良いでしょう。
もし杜若ではない場合は、咲いている時期と場所を考えてみましょう。5月の早い時期にたくさんの花が咲いている、あるいは咲いているのが水気のない陸地であるのなら「あやめ」ですし、6月に近い時期に水辺に咲いているのなら「花菖蒲」です。
こうして少しずつ条件を絞っていくと、今自分の目の前に咲いている花が何なのか、わかりそうな気がしてきますね!
ことわざにもなっているくらいややこしい
以上、今回はあやめ・杜若・花菖蒲・しょうぶの特徴と見分け方をご紹介しました。
「どちらも優れていて優劣がつけられないこと」という意味で
何れ菖蒲か杜若(いずれあやめかかきつばた)
という諺もあるくらいです。昔から違いがなかなかつかない植物だったのでしょう。
ともあれこうして情報を得ることで、旅行の際に自分が「何をみているのか」「どんなものを楽しんでいるのか」をしっかりと理解することができます。旅行や観光の時間は、なかなか得ることができない非日常の時間。だからこそ、見ているものを”ちゃんと”知っている状態にすることで、より面白く有意義な時間となります。
ぜひ今回の4種の植物の違いにとどまらず、他にも色々な知識を身につけてみてください!同じ場所に旅行したとしても、その”質”が変わることを保証しますよ!
おまけ
ちなみに、下の写真のように花弁のつけ根にブラシのように毛が生えているのは「ジャーマンアイリス」という、また違ったアヤメです。
ヨーロッパが原産ですし、花弁をしっかり見れば違いはすぐわかると思いますよ!
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