みなさんこんにちは! 観光情報サイト「旅狼どっとこむ」の旅狼かいとです!
「2022ワールドカップ出場国の世界遺産を大紹介シリーズ!」、グループA第2回はエクアドルの世界遺産を紹介していきます!
南米の北西部に位置するエクアドル、あまり馴染みのない方も多いかもしれませんが、実は世界で最初に登録された世界遺産が2つもある観光大国なのです!
日本代表も出場するW杯は、世界各国について知れる絶好のチャンス! エクアドルとはどんな国なのか知りたい方はもちろん、世界遺産検定の勉強をしている方、純粋に世界遺産を知りたい方もぜひご覧になってみてください!
ガラパゴス諸島
「ガラパゴス諸島」は独特の生態系を持った動物たちが生息する、大小19の島と周囲の岩礁からなる火山群島です。
概要
東太平洋上の赤道直下に浮かぶ「ガラパゴス諸島」を語る上で欠かせないのが、イギリスの博物学者「チャールズ・ダーウィン」と著書『種の起源』です。
1835年に測量船ビーグル号でガラパゴス諸島に来訪したダーウィンは、この地に生きるゾウガメ(スペイン語でガラパゴ)やウミイグアナなどの生物が、同じ種でも生息する島ごとにそれぞれ異なる特徴を持つ亜種であることに着目。「ダーウィン・フィンチ」と呼ばれる13種のフィンチについて、島ごとに嘴の太さや長さなどの形状が違うことを発見したダーウィンは、「共通の祖先を持っていても、環境によって進化の方向性を変える」という進化論の着想を得たのです。
ガラパゴス諸島の陸上には、植物種約900種、爬虫類約20種、鳥類約60種、昆虫約1,000種が、パナマ海流やペルー海流などが流れ込む周辺海域には、約300種の魚類や600種以上の貝類、イルカやクジラ、ペンギンといった多種多様な生物が生息しています。
大陸から切り離されたガラパゴス諸島には、天敵となる大型哺乳類が存在しないのが特徴です。そのため、各島の生物は島の環境に合わせて独自に進化しています。今では、こうした外界から隔絶した地での独自進化の代名詞として「ガラパゴス」という言葉が使われるほどに、生物の進化論において非常に重要な地となっているのです。
しかし近代に入り、人間が上陸したことで島の環境が激変。密猟や乱獲、ブタやヤギ、ロバなどの家畜をはじめ、イヌやネコといった人間が持ち込んだ外来種が生態系を破壊してしまったのです。
観光圧力も加わったガラパゴス諸島は、2007年に危機遺産リストに記載されてしまいます。その後の2010年に移住制限や太陽光発電などの環境保全計画が評価されたため危機遺産リストから脱したものの、生態系保護に関する根本的な問題解決には未だ至っていないのが課題とされています。
登録名と登録区分
Galápagos Islands
区分:自然遺産
登録年と登録基準
年:1978年
基準:(ⅶ)(ⅷ)(ⅸ)(ⅹ)(7,8,9,10)
アクセス
キトの市街
標高2,850m、アンデンス山脈の高地に築かれたエクアドルの首都が「キト」です。そんなキト市内の旧市街が、1978年に世界初の12の世界遺産の一つとしてガラパゴス諸島とともに登録されました。
概要
もともと現在の「キト」がある地には、先住民族であるキトス族が築いた街がありました。15世紀末になると街はインカ帝国の支配下に入り、現在のペルーに位置するクスコに次ぐインカ第二の都市として繁栄します。
しかし1533年、スペイン人による侵略が始まると、インカ人たちは自分達の手で街を焼き払い退去。廃墟と化した街の跡地に、スペイン人が都市計画に沿った植民都市「キト」を建設したのでした。
以降18世紀ごろまでに、フランシスコ会やドミニコ会、イエズス会などの修道会がキトに多くの修道院や教会堂を建築。数々の宗教建築物が建てられたキトは「アメリカ大陸の修道院」と呼ばれ、南米でのキリスト教伝道の中心地となったのでした。
現在のキトの旧市街には、インディオの彫刻家カスピカラの代表作「ラ・サバナ・サンタ」が飾られた「キトの大聖堂」や、南アメリカ最古の修道院建築であり、付属する先住民の学校で神学と美術を教えたことでその後「キト派」という様式と集団を生み出した「サン・フランシスコ修道院」、完成までに160年以上を要したエクアドル屈指のバロック建築と謳われる「ラ・コンパニーア教会堂」などが残っています。
これら16~18世紀に建てられた宗教建築は、いずれもヨーロッパのバロック様式やスペイン伝統のムデハル様式などが融合した植民地特有のスタイルで建てられており、保存状態が良好なのが特徴です。
登録名と登録区分
City of Quito
区分:文化遺産
登録年と登録基準
年:1978年
基準:(ⅱ)(ⅳ)(2,4)
アクセス
クエンカの歴史地区
エクアドル南部、アンデス山脈に囲まれた標高2,580mの高地に位置する「クエンカのサンタ・アナ・デ・ロス・リオス歴史地区」は、1557年にカルロス5世の命によって築かれた都市になります。
概要
碁盤目状に日干しレンガの道が張り巡らされているクエンカの歴史地区には、橙色の屋根と白壁の瀟洒な建物が並んでいるのが特徴です。
サント・ドミンゴ教会堂やカルメル会の修道院などは、スペイン建築を南米の気候風土に適合させた独特な建築様式で建てられており、異文化と融合したスペインの植民都市計画の成功例とされています。
登録名と登録区分
Historic Centre of Santa Ana de los Cuatro Ríos de Cuenca
区分:文化遺産
登録年と登録基準
年:1999年
基準:(ⅱ)(ⅳ)(ⅴ)(2,4,5)
アクセス
サンガイ国立公園
エクアドル中央部に位置する「サンガイ国立公園」は、アンデス山脈東断面からアマゾン川上流域の熱帯雨林にわたって広がる総面積約2,700㎢の国立公園になります。
概要
その形から「南米の富士山」とも呼ばれる標高5,260mの活火山「サンガイ山」を擁する「サンガイ国立公園」は、標高差が4,000m以上にも及ぶのが特徴で、公園内では熱帯雨林や雲霧林、高山ツンドラなどの多様な植物の直立分布を見ることができます。
豊な自然環境は多様な動物分布にも繋がっており、40種以上のオウムを筆頭とした様々な鳥類をはじめ、絶滅が危惧されているヤマバクや南米大陸唯一のクマであるメガネグマ、白い襟が特徴的なアンデスコンドルなど、希少な動物も生息しています。
公園内を貫く道路の建設計画が立てられたため1992年に危機遺産リストに記載されましたが、計画が白紙となったことで2005年にリストから脱した歴史も持ちます。
登録名と登録区分
Sangay National Park
区分:自然遺産
登録年と登録基準
年:1983年
基準:(ⅶ)(ⅷ)(ⅸ)(ⅹ)(7,8,9,10)
アクセス
エクアドルの世界遺産一覧と地図
遺産名 | 区分 | 登録年 | 登録基準 |
---|---|---|---|
ガラパゴス諸島 | 自然遺産 | 1978年 | (ⅶ)(ⅷ)(ⅸ)(ⅹ) |
キトの市街 | 文化遺産 | 1978年 | (ⅱ)(ⅳ) |
クエンカのサンタ・アナ・デ・ロス・リオス歴史地区 | 文化遺産 | 1999年 | (ⅱ)(ⅳ)(ⅴ) |
サンガイ国立公園 | 自然遺産 | 1983年 | (ⅶ)(ⅷ)(ⅸ)(ⅹ) |
エクアドルの世界遺産一覧 まとめ
ということで今回は、2022年のサッカーW杯に出場するエクアドルの世界遺産についてまとめてきました!
「ガラパゴス諸島」や「キト」という名前は聞いたことがあっても、「南米のエクアドル」という国そのものにはあまり馴染みのない方も多いのではなでしょうか。この記事をきっかけにしてあなたの興味の幅が少しでも広がってくれたのなら、とても嬉しく思います!
次回の「2022ワールドカップ出場国の世界遺産を大紹介シリーズ!」は、グループAのセネガルについてお届けしていく予定です。ぜひ楽しみにしていてくださいね!
世界遺産の情報は『世界遺産大辞典<下> 世界遺産検定1級 公式テキスト 第2版』が主な出典となっています。
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