みなさんこんにちは、旅狼かいとです!
今回ご紹介するのは、知る人ぞのみ知るもみじの名所「宝厳院」です!
「宝厳院」は、京都・嵐山に位置する寺院で、隣に曹源池庭園や雲龍図で有名な天龍寺が並ぶ場所にひっそりと佇んでいます。
この宝厳院、一体何が特別なのかというと、、
春と秋の期間限定公開でのみ入ることができる寺院なのです!
この2つの時期に、春の青もみじと秋の色に染まった紅葉を楽しむことができます。紅葉の名所が多い京都・嵐山の中でも、とりわけ秋の時期は一気に注目度が高まる観光名所中の名所なのです!
そんな”もみじの庭”とも呼べる庭園をもつ宝厳院について、今回はお届けしていきます!
宝厳院について

「宝厳院」は、隣に立つ天龍寺の塔頭(たっちゅう)寺院のひとつになります。
この宝厳院は近代に入って何度か移転をしている珍しい寺院で、室町時代に建立された当初は、現在の京都市上京区(二条城や京都御所のあたり)に位置し、広大な境内を有した寺院でした。
応仁の乱によって一度は焼失するものの、豊臣秀吉より再建され、徳川幕府にも明治時代に至るまで保護されます。
その後、天龍寺塔頭弘源寺境内に移転し、2002年に現在の天龍寺のお隣、この嵐山の地に移転・再興しました。

「宝厳院の一番の見所は?」と聞いたら、ほとんどの人が「獅子吼(ししく)の庭」と答えるでしょう!
室町時代に中国に二度渡った禅僧・策彦周良(さくげんしゅうりょう)によって作庭され、嵐山の景観を取り入れた借景回遊式庭園となっています。
江戸時代に出版された京の名園ガイド「都林泉名勝図会(みやこりんせんめいしょうずえ)」にも登場しているという、400年近く守られ続けてきた名庭なのですよ!
「獅子吼」とは、「獅子が吼えて百獣を恐れさせる」というところから「仏(釈迦、ブッダ)が説法する」という意味だそうで、公式ホームページ曰く、
「庭園内を散策し、鳥の声、風の音を聴く事によって、人生の心理、正道を肌で感じ、心が大変癒する庭」
だそうです!
その名の通り庭園には、人間界の苦しみや救い、釈迦如来のもとで説法を拝聴する姿や厳しい修行の様子が、入口付近の「三尊石」や「苦海」、「獣石」、そして、「鯉が滝を登ると龍に化す」という中国の故事「登竜門」を表現した「瀧門瀑」などの名がついた石や岩で表現されています。
皆が推す秋の紅葉がとても美しい宝厳院ですが、これら石による表現や庭園のシンボルとも言える「獅子岩」など、庭園のいたるところに石を用いた”遊び”が散りばめられているのもこの庭園の魅力です。
かつての貴族遊びのごとく、庭園内をゆったりとまわりながら庭園の解釈を考えるというのも良いかもしれませんね!

そんな宝厳院、冒頭でも軽く触れましたが、実はいつでも拝観できるわけではないのです!
一般公開となるのは春と秋の年2回だけとなっていて、春の特別拝観(3月中旬~6月下旬)では爽やかな青紅葉を、秋の特別拝観(10月初旬~12月上旬)では鮮やかな紅に染まった紅葉を楽しむことができます。
“期間限定”っていうのがまた、宝厳院の風景の貴重さをググッと押し上げていると感じるのは、、僕だけでしょうか…!笑
宝厳院を歩く
ということで、宝厳院へ実際に行った際の様子をご紹介していきましょう!
今回は11月中旬の秋の限定公開期間の風景をお届けです!

これについては行く前に解釈を頭に入れておくことをおすすめしますよ!

この石は、禅宗の修行僧の心の支えであると同時に修行へ励むためのシンボルでもあるそう。

苦海は全体に広がる丸石で、釈迦如来は三尊石で、獣は獣石で表しており、舟に似せた石によって苦海を渡りきれない諸人のための舟も表現し、すべての生命に釈迦如来の説法を聴いてもらう準備をしているとも言われています。









カメラを手にしていると何でもかんでも撮りたくなるんだよなぁ。。笑














嵯峨野・嵐山では、大堰川上流や有栖川上流、龍安寺の山手から産出されていました。


















真っ赤な紅葉と竹の対比も見たいなぁ。。




宝厳院の観光情報

拝観期間と時間
一般公開は、春と秋の特別拝観時のみ
2021年秋は、10月9日(土)~12月5日(日)
拝観時間
9:00~17:00
受付終了:本堂は16:30、庭園は16:45
料金
庭園
大人:500円
小中学生:300円
本堂(庭園拝観料に別途必要)
大人:500円
小中学生:300円
秋の夜間特別拝観(ライトアップ)
拝観時期
2021年秋は、11月13日(土)~12月5日(日)
拝観時間
17:30~20:30(最終受付は20:00)
料金
大人:600円
小中学生:300円
混雑状況によっては入場制限を行うが、チケット予約など事前の申し込みは不要

紅葉の見頃
色づき始め:11月上旬
見頃:11月中旬~12月上旬
観光のおすすめ時間
午前中
アクセス
嵐電嵐山駅 から徒歩3分
市バス 嵐山天龍寺前 から徒歩4分
宝厳院のまとめ

ということで、ここまで京都の嵐山から宝厳院をご紹介しました!
本当に、期間限定公開にふさわしい見応え抜群の庭園でした!
今回の訪問は、秋の紅葉の色づき始めの時期。
この時期はこの時期で、緑と紅、黄や橙の美しいコントラストが楽しめますし、紅葉の見頃の時期になると一面真っ赤なもみじに染まった獅子吼の庭を堪能できます。
もみじに彩られた風景以外にも、岩を使って「獅子吼」を表現した一角や、碧岩と獅子岩という2つのシンボル的名岩、そして、個人的にNo.1のお気に入りとなった本堂周辺など、見どころも満載な宝厳院。
秋の紅葉、綺麗な景色をただ楽しむだけでなく、自分だけの見方・感性を持って見て歩き、新たな発見し、自分だけの楽しみ方で満喫していく。
そんな旅の楽しみ方を再確認させてくれた場所にもなりました。
皆さんもぜひ、春・秋の時期には宝厳院へと足を運んでみてください。
そして、自分だけのお気に入りの場所・風景を見つけてみてください!
きっとその暁には、新たな発見があること間違いなしですよ!!