学園都市でありながら歴史と文学の町でもあるオックスフォード(Oxford)

街並みは中世の雰囲気を色濃く残しており、街中を散策するだけでも十分に楽しむことができます。

そんなオックスフォードには、ハリーポッター』シリーズの撮影で使用された食堂や図書館があったり、ルイス・キャロルの名作『不思議の国のアリスの舞台になっていたりと、文学にも関わりが深い町なのです。

今回はそんな見所満載のオックスフォードについてご紹介していきます!

 

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オックスフォード(Oxford)の歴史

現在のオックスフォードの地に人が住み始めたのはサクソン時代とされています。

“Oxford”の名前の由来は、古英語で「雄牛(oxen)が渡ることのできる浅瀬(ford)」を意味する「オクサンフォルダ(Oxanforda)」と呼ばれていたことから。

イギリスに多くある地名の「~フォード」は、浅瀬・渡場の ford に起源があるそうで、これはドイツ語地名の「~フルト」(furt)に対応するそうですよ!
(サッカーの長谷部誠選手が所属するチームが「フランクフルト」ですよね!)

伝説では、8世紀初頭にサクソンの女王フリデスウィデ(フライズワイド、Frideswide)がこの地に女子修道院を創設したことが、オックスフォードの歴史の始まりとされています。
この修道院が後述の「クライストチャーチ」の大元になっているとも。

確認できる最も古い文書記録としては、『アングロサクソン年代記』において、912年の記述で言及されています。

そして、この地にオックスフォード大学が創設されます。

11世紀までには大学の基礎が出来上がっていたされており、これを大学の創設とみなすと、現存する大学としては世界で3番目に古く英語圏では最古の大学となります。
(オックスフォード大学については後述しますのでここでは多くは語りません!)

その後の清教徒革命(ピューリタン革命)においては、オックスフォードではロンドンの「議会派」に対抗する「王党派」が一次勢力を拡大しますが、結局は議会派が勝利するという政治的な争いの場となったり、
イングランド国教会とカトリック教会の和解をこのオックスフォードからさせようという宗教的な運動が起きたりします。

その間の1790年にはオックスフォード運河が完成し、オックスフォードとコヴェントリーが結ばれ、さらにテムズ川へと連結します。
そして1840年代には「大西部鉄道(Great Western Railway)」と「ロンドン及び北西部鉄道(London and North Western Railway)」が、オックスフォードとロンドンを繋ぎました。

20世紀初頭に入ると、オックスフォードでは急速な産業成長とそれに伴う人口の増大が起こります。

特に、印刷・出版産業がオックスフォードの主産業となり、さらに、ウィリアム・モーリス(初代ナフィールド子爵、William Morris, 1st Viscount Nuffield)が「モーリス自動車会社(Morris Motors Company)」をカウリー(Cowley)の地に設立します。

モーリスによって設立した自動車産業は新たな、しかも巨大な雇用群をつくりだし、
「オックスフォードはモードリン橋(Magdalen Bridge)の西にあたる大学都市と、東にあたる自動車都市の2つの部分から構成されている」
と言われるまでに至ります。

(モーリス自動車はその後「ブリティッシュ・レイランド(British Leyland )」に吸収され、ブリティッシュ・レイランドの最終的な存続会社となっていたMGローバー社は2005年に経営破綻しています。
その際、中国の自動車会社である南京汽車によって旧MGローバー社の資産の大部分が買収されています。)

近代における自動車工場への移民労働者の流入、近年顕著な東南アジアからの移民、そして、多くの学生の存在によって、オックスフォードはイギリスの中でも暮らしている住民の民族構成が豊かなのも特徴なんですよ!

 

 

オックスフォード大学(Oxford University)について

続いてオックスフォード大学(Oxford University)についてご紹介します。

もはや、「オックスフォード=オックスフォード大学」みたいなイメージの方も多いと思いますし、僕も実際に訪問するまではそのイメージでした!笑

 

オックスフォード大学(Oxford University)

上述したように、オックスフォード大学は「英語圏最古の大学」とされていますが、創立時期ははっきりと解明されているわけではありません。

大学としての正式な創立年は1167年としていますが、すべての施設が一気に構築されたのではなく、長い年月をかけて徐々に形成されたものと考えられています。

最古の記録として、1096年にオックスフォードで講義が行われていたという公式の記録が存在しており、少なくともこの時期に大学の前身となる教育施設が築かれていたことは確かであるとされています。

その後の1167年に、ヘンリー2世によってイギリスの学生がパリ大学で学ぶことを禁じられます。

それによってオックスフォードに学者が集まり、加えてパリから移住してきた学生たちによって大学が形成されました。
この時期から初期のホール(寮)が設立され、これらのホールが後に「カレッジ(学寮)」へと発展したとされています。

オックスフォード大学公式では、ここを「大学の創立」としているわけですね!

今日では「学園都市」という顔がしっくりきすぎるほどにしっくりくるオックスフォードですが、オックスフォード大学が設立した当初は「タウン(町)」と「ガウン(学生)」の関係が悪化することが多々あったそう。

実際、町の住民によって学生が殺害されるという事件も起きています。

「大学の周辺で学生たちに迷惑をする住民」というのは、いつの時代もどこの国でもあるみたいですね。。笑

 

今日では、オックスフォード大学は「貴族の大学」としても有名ですね!

世界中のトップクラスの政治家を輩出しており、イギリス首相だけで、テリーザ・メイ現首相やデーヴィッド・キャメロン前首相、「鉄の女」と呼ばれたマーガレット・サッチャー元首相など27名が卒業生。
イギリス以外の国の国家元首でも、30人以上がオックスフォード大学出身なんです。

さらに、50人以上のノーベル賞受賞者や教科書に載るような学者さん、6人のイギリス国王に150人以上のオリンピックメダリストなども輩出しており、本当にエリート中のエリートが集う大学です。。!

また、令和時代となった現在の天皇である今上天皇と皇后雅子、さらに秋篠宮文仁親王など日本の皇族の留学先としても知られていますね。

 

ちなみに、「オックスブリッジ」として並び称されるケンブリッジ大学は、オックスフォード大学に所属していた教師と学生が1209年にケンブリッジに移住したことで設立された大学なんです!

毎年、英国No.1、そして、世界No.1の座をかけて争うオックスフォード大学とケンブリッジ大学は、まさに日本でいう「東大京大」や「早慶」のようなライバル関係なのです。

 

カレッジ制

ここで、イギリス伝統の大学体制と呼ばれる「カレッジ制」について少しお話していきます。

オックスフォード大学は「カレッジ制」という大学形態を採用している大学です。

英語で”college”と書かれる「カレッジ」。
日本語訳すると「大学」となり、よく”university”との違いについて語られますよね!

university”は、文理両方の学部を持ったり大学院が併設されている「総合大学」と呼ばれるのに対し、
college”は「大学院がない大学」や「単科大学」、「専門学校」や「大学進学準備のための学校」という、なんとなく「”university”より規模が小さな大学」というイメージを多く持たれている印象です。

 

イギリスにおける「学校」や「大学」の意味での「カレッジ(college)」は、そもそもの起源をキリスト教の教会付きの全寮制修道士養成学校に持ちます。

これは、敷地内に講堂や図書館といった一般的な大学に見られる設備の他に、教員と学生の寄宿舎や食堂、そして礼拝堂や庭園などを有する組織でした。

そして、この起源を受け継いでいるのが「カレッジ制」という制度だと考えていただければ良いかと思います。

具体的にお話ししましょう。

オックスフォード大学の運営は、”division”と呼ばれる学部のような部門の中にある「学科(department)」と、独立した「カレッジ(college)」が並列して行っています。

大学への入学は、学科だけでなくカレッジにも認められなければならず、学位も、学科での考査とカレッジの承認の両方を得ることではじめて授与されます。

「カレッジ」は日本語に訳すと「学寮」と呼ばれ、学生の大部分と一部の教職員が寮生活という形で一緒に暮らします。

各カレッジの中で、個別指導や多くても15人ほどの小規模クラスを持ち、専門性が高くなると学科に委託するという仕組みです。

日本の大学に無理くり当てはめると、「寮制ゼミ」と言えるかもしれませんね!

ゼミと講義がそれぞれ独立しており、卒業にはゼミの先生から認定をもらい、かつ講義の時間の試験に合格する、というかんじですね!

ちなみに、日本でいう「研究室」は「学科」の所属となっており、上の例えに当てはめると「講義扱い」になりそうですね。

そして驚くことに、各カレッジは代々固有の財産と収入を持っているのです!

代表的な資産は、代々引き継がれているイギリス各地の荘園や農園で、近年では株式を保有しているカレッジなんかも増えてきているみたいです。

カレッジの資産を管理・運用する役職(フェロー)も用意されていて、彼ら(彼女ら)は「バルサー」と呼ばれているそうです。

このカレッジ制はオックスフォード大学のほかにも、ケンブリッジ大学やダラム大学でも採用されています。

そんなカレッジの1つにあるのが、観光地としても非常に有名なクライストチャーチ(Christ Church)というわけなんです!

 

 

オックスフォードの町の様子

ということで、ここからは町を歩きながらご紹介して行きます!

実は、ここまでベラベラと話してきましたが、実際にオックスフォードへ行ったときはクライストチャーチしか知らないという状態で、とりあえず町をフラフラ散策していただけでした。笑

その中で「これすげー!」みたいになったものを撮っていたらたまたま有名どころだった、みたいなパターンが多いです!

ですので十分な観光案内にはならないかもしれませんが(笑)、自分がどこを歩いているのかわからないレベルでいても楽しめるということが伝われば嬉しいです!

 

駅(アクセス情報)

ロンドンからオックスフォードへの移動は電車が便利です。

ロンドンのパディントン駅(Paddington)から1時間ほどで到着します。

当日はルームメイトが初登校。
僕は休日だったので、2人で優雅にモーニングコーヒーを嗜み、彼を学校へ送ってからパディントン駅へ。
出発ホーム。外国では初の長距離列車で、ちょっとドキドキ。。
無事オックスフォードの駅に到着!
駅前はこんなかんじ。
牡牛(Ox)が出迎えてくれます。

 

町の中心、カーファックス・タワーへ!

市街地へ向かいます!
綺麗な緑に囲まれた運河があります!
相変わらず建物がおしゃれ。
「オックスフォード城」かと思って撮ったのですが、調べてみたら違いました。笑
“Oxford Country Council”とあったので法関係の建物かな。。?
お隣の、レストラン、だと思うところ!
とにかく建物がおしゃれすぎる!
こういう裏道が大好きなんです♪

 

街の中心に立つのがカーファックス・タワー(Carfax Tower)

「カーファックス(Carfax)」は「交差点」の意味で、文字通り交差点にある塔に登ると町を一望することができます。
(今回は登っていませんが。。笑)

このカーファックス・タワーの周辺にカレッジが立ち並ぶほか、カフェやバー、ファストフード店やファッションショップなどもズラリと並んでいます。

こちらがメインストリート。
こちらが「カーファックス・タワー(Carfax Tower)」です。
毎日正午に鳴り響く時計の鐘音も”見所”ならぬ”聞き所”ですよ!

 

クライストチャーチ(Christ Church)

ということで、いよいよ一番の見所、クライストチャーチ(Christ Church)をご紹介しますよ!

正式名は「クライストチャーチ大聖堂(Christ Church Cathedral)」。

一つの教会が大学の聖堂と司教座聖堂を兼ねているという、世界でも非常に珍しい聖堂です。

上でも書きましたが、伝説上のお話であるとされる、サクソンの女王フリデスウィデ(フライズワイド、Frideswide)が建てた修道院が基となっているとされています。

建設以後建物が拡張されていき、現在ではオックスフォード中で最大のカレッジとなっています。

 

大人気のクライストチャーチの中でもさらに見所となるのは、やはりグレートホール(Great Hall)」と呼ばれる食堂ですよね!

ハリーポッター』シリーズでお馴染みのホグワーツの食堂シーンの撮影に使用されたということで、オックスフォード全体で見ても非常に人気の観光スポット。

また、クライストチャーチは不思議の国のアリス』の作者ルイス・キャロルが数学講師として勤めていたカレッジでもあり、ゆかりのある場所なのです。

その関係から、ステンドグラスの中には『不思議の国のアリス』のキャラが描かれているものもあるのですよ!

うち一枚はアリスが描かれており、「隠れアリス」探しなんてことも楽しめます。

僕はこの情報をオックスフォードから帰ってきた後に知ったため、見つけることを愚か、見つけようともしませんでした。。

やはり事前の情報収拾はより観光を楽しむために必須ですね!!

 

クライストチャーチは現在でも学生たちが利用している「カレッジ」ですので、時間によっては見学できないので注意です。

 

ではでは、実際の様子をご紹介していきましょう。

すでに”ホグワーツ感”が感じられる。。
ちなみに、校舎の撮影には「アニック城」や「グロスター大聖堂」が使われています。
入り口!おしゃれです!
広い校庭のようなお庭のような。。
こちらにもお庭が。
では入場です!
教会前。噴水の雰囲気と日差しの感じが神々しい。。
教会内
ステンドグラスがとても美しいですね〜
教会だけでも十分見応えがあります。
見上げると尖塔が。
いよいよ「グレートホール」こと食堂です!
『ハリーポッター』シリーズを観ている方なら、これらの階段にも見覚えがあるはず!!
来ました!
食堂は映画ほど広くはなく、おそらく合成によって広く見せていたのでしょう。
行って初めて知りました。。笑
一番奥には肖像画がずらり。
こちらもクライストチャーチの名物である「トムタワー(Tom Tower)」です!
図書館、、かな?
出口です!
この出口のすぐ近くに「アリスショップ」もあるので、興味がある方は立ち寄ってみてくださいね!

 

  

オックスフォードのダイジェスト

ここからはダイジェスト形式でオックスフォードの見所をご紹介していきます。

教会なのかカレッジなのか、もうわからない。笑
また裏道。
梅、でしょうか。。?”和”を感じる花なだけに後ろの中世西欧風のアンバランスさが”いいかんじ”です。
またメンスト。
ここからは本当にあてもなく歩き回ります。
実はここも『ハリーポッター』のワンシーンに登場しているんです!
もう少し引きで撮ったほうがわかりやすかったけどね。。笑
奥にちらっと見えるドーム型の建物が、「ボドリアン図書館(Bodleian Library)」の別館にあたる「ラドクリフ・カメラ(Radcliffe Camera)」です。
ラドクリフ・カメラは、主に科学関係の書物を収める図書館として使われていたそうです。
ラドクリフ・カメラ近くの尖塔。こちらも見応えがあります。
続いて、 『ハリーポッター』シリーズの図書館での撮影に使われた「ボドリアン図書館本館」です!
撮影に使われた「閲覧室」はガイドツアーに申し込まないと入ることができないのですが、ガイドさんのガイドが面白いと評判が良いのもポイント!
次は僕も行ってみたいです!!
おしゃれに撮れなかった。。
町の中心から外れると一気に”日常感”が出て来ます。
こういう住宅街を見るのも楽しですよ!
立派な建物です。
赤いレンガ基調の建物。大学関係のものでしょうか。。?
またまた裏道。
イギリスはヨーロッパの中では治安が良いほうなので、こういう道を1人で歩いていても特に危険は感じませんでした。
何かの記念碑。
大きな道に出て来ました。
イギリスはこのように路上に車を停めるんです。
「ここにも普通に人が暮らしているんだなぁ」という当たり前の事実を確認。笑
観光地だけど、地元の人にとってはただ生活する場所ですからね。
周りとは雰囲気が違った建物も。
中心部に戻って来ました!
お昼のキッシュとコーヒー。
全然英語を聞き取ってもらえず苦労したことを覚えています。。
観光地じゃないとここまで通じないとは。。

 

この後ロンドンに帰還、、とはせず、郊外のブレナム宮殿(Blenheim Palace)へ行きました!

素晴らしい佇まいの宮殿と、今いるのが”宮殿”の敷地内であることを忘れてしまうほど、のどかで広大な庭園が魅力の場所でした!

オックスフォードに訪れるのなら、ぜひ半日、あるいはもう1日予定をとって足を伸ばしてみてください!!

 

 

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オックスフォードのまとめ

ということで、今回は学園都市ながらも歴史と文学の世界も感じることができるオックスフォードの町をご紹介してきました。

オックスフォードは今回僕がご紹介したところ以外にも、
監獄として使われてきた歴史を持つ「オックスフォード城」や、オックスフォード周辺の歴史に触れることができる「オックスフォード博物館」など、
豊富な見所に溢れています。

市街地はそれほど大きくないので、ロンドンから日帰りでも十分楽しむことができますよ!

ぜひロンドンから足を延ばし、中世の雰囲気を色濃く残す、ハリー・ポッターとアリスの”リアル・ワンダーランド”な世界を訪ねてみてくださいね!!