みなさんこんにちは!旅狼かいとです!
パリ市街からRERなどの電車で30~40分ほどの場所に位置する、フランスを代表する観光名所「ヴェルサイユ宮殿」。
“Palais de Versailles“、あるいは“Château de Versailles“と書かれる宮殿は、太陽王ルイ14世が建設を命じ、当時の贅を尽くしに尽くし、政治そっちのけで毎晩毎夜豪遊した宮殿です。笑
そんな王の姿、そして莫大な建設費用の負担による財政難によって、のちのフランス革命のきっかけともなってしまった宮殿でもあります。
実際に足を運んでみると何から何まで豪奢かつ広大な宮殿と庭園で、「“豪華絢爛”ってこういうことを言うのか!」と感じずにはいられませんでした!
今回の記事では、そんなヴェルサイユ宮殿の、ルイ14世が建築し愛用した宮殿と庭園をご紹介します!
ヴェルサイユ宮殿(Palais de Versailles)について
まずは、ヴェルサイユ宮殿についてその歴史と建築された目的などをご紹介します。
フランス王朝の絶対王政体制を築きあげ、フランス王朝の絶頂期を迎えた時代の王である太陽王ルイ14世。
そんなルイ14世が建設を命じたヴェルサイユ宮殿は、「絶対王政の象徴」と呼ばれています。
なぜ「絶対王政の象徴」なのか。
その際たる理由は、”このヴェルサイユ宮殿そのものが「絶対王政」を表現しているから“。
と言われても、パッとイメージしづらいですよね!笑
ですのでここから、ヴェルサイユ宮殿がどのように「絶対王政」を表しているのかを、3つのキーワードに沿ってお話ししていきます!
①『水無き地に水を引く』
もともとのヴェルサイユの地には、水源となる川や湖などはありません。
しかし、ヴェルサイユ宮殿の庭園には大小数多くの噴水やため池があり、庭園のさらに向こう側には巨大な水路もあります。
これは、10kmも離れたセーヌ川から水を汲みあげ、水道橋を経て貯水池に水を貯めることで実現したものなのです。
このように、本来水のない場所に大量の水を引いてくることで、王の技術力を示し、そして何より、「王には自然をも変える力がある」という言葉が込められていたとされています。
②『貴族を従わせる』
本来、「宮殿」という場所は王族のみが住まう場所ですが、ルイ14世は王族だけでなく貴族もヴェルサイユ宮殿に住まわせました。
これには、平時から王族の力を見せつける狙いがあったとされています。
さらに、庭園の各所にある噴水には神話に登場する神の名前が付けられており、そのそれぞれに意味を含ませていると考えられています。
今回は代表して、今なお人気の噴水である「ラトナの泉」と「アポロンの泉」についてご紹介します。
ラトナの泉
まずは「ラトナの泉(Le bassin de Latone)」について。
「ラトナ」は、ギリシア神話では「レートー」という名で登場する”光明の神”であり、”太陽神”でもあるアポロンと”月の女神”アルテミスの母になります。
そんなラトナが、村人が投げつけてくる泥から我が子を守る様子が、ラトナの泉には彫刻されています。
この彫刻の様子は、ルイ14世の幼少期に起きた「フロンドの乱」の際に見せられた彼の母の姿の照らし合わせだとも言われています。
さらに、噴水の下の方にはカエルやトカゲがおり、それらは村人が神によって姿を変えられたものだとされています。
つまり、「太陽王たる余に歯向かうものは神の天罰が与えられる」、「王に反抗するものは許さない」という意思表示なわけなのです!
アポロンの泉
「アポロンの泉(Bassin d’Apollon)」の彫刻は、海から天に駆ける光明・太陽神アポロンを表現しています。
これは「天上から地上を支配する」ということを表し、つまりは「絶対王政」を具現化したものだと考えられています。
ちなみに、アポロンはギリシア神話において、詩歌や音楽などの芸術・芸能の神にして羊飼いの守護神、そして光明・太陽の神と位置付けられている神さな。
「光明神」や「太陽神」という点は「太陽王」に通じますし、アポロンは他にもさまざまな属性を付与されている神ですので、その万能性も暗示しているのかもしれませんね。
③『民衆の心を掴む』
ルイ14世は、貴族をヴェルサイユ宮殿に住まわせるだけでなく、宮殿と庭園を一般庶民に公開していました。
そこには「宮殿に住まう王族・貴族の華やかな生活を見せる」という狙いがあり、それによって王の力を直接民に誇示するという意図があったとされています。
加えて、ルイ14世自らが庭園の「ガイドブック」を発行したようで、これに従わせながら庭園の素晴らしさを感じさせたといいます。
このヴェルサイユ宮殿と庭園一般公開は、市民の支配に対し一定の効果はあったそうです。
しかし、ヴェルサイユ宮殿に暮らす側にとってはプライバシーの「プ」の字も無い生活だったそうで、食事や着替えだけに留まらず、入浴や夜の営みに至るところまで見学の対象にされていたとか。。
さすがにこれは尾ひれがついたものかもしれませんが、ヴェルサイユ宮殿で暮らす者には、かなり多くの規則やしきたりのようなものが求められていたみたいですね。
のちのルイ16世の王妃マリー・アントワネットは、そんな生活スタイルや細かすぎるしきたりばかりのヴェルサイユの生活に嫌気がさし、一層自由奔放になったとも言われていますから。笑
そしてそれが、のちのフランス革命に繋がっていくわけですが…。
ちなみに、当時のフランスには”ちゃんとした”トイレや入浴の習慣がありませんでした。
一方、マリー・アントワネットが生まれ育ったオーストリアでは入浴やトイレの習慣がしっかりしており、そういった生活環境の違いも、マリー・アントワネットは受け入れられなかったと言われています。
と、マリーの話はこの辺にしておいて、、
これら『水無き地に水を引く』、『貴族を従わせる』、『民衆の心を掴む』という3つのキーワードーに沿って、ルイ14世はヴェルサイユ宮殿で「絶対王政」を表現したのです!
また、ヴェルサイユ宮殿による”絶対王政の表現”は、特に庭園にその特徴が表れており、工事費用と割いた人員は宮殿本体より庭園の方が多かった、というエピソードまであるのですよ!
ヴェルサイユ宮殿の様子
では、実際にヴェルサイユ宮殿へいったときの様子をご紹介していきます!
到着〜入場
開場が8:30なのに対し、僕たちがヴェルサイユ宮殿に到着したのは10時ごろでした。
開場から1時間半でもうこの状態!!
ちなみに僕たちは「ミュージアムパス」を使って入ったのでヴェルサイユ宮殿ではチケットを購入していません。
女神は民を椅子にしている姿ということで、入り口からすでに「絶対王政」を表現しているように感じますね。
まったく、ここはディズニーランドか!!
こちらの記事をご覧ください!
ヴェルサイユ宮殿内部
入場したら、さっそく宮殿内部を進んでいきます!
ヴェルサイユ宮殿の庭園
宮殿内を一周し、庭園に出てきました!
その途中、変わった形の岩がありました。
冒頭にも書いたように、ヴェルサイユ宮殿の離宮にあたる「グラン・トリアノン(Grand Trianon)」と「プティ・トリアノン(Petit Trianon)」については別でまとめています!
僕個人としては、「プティ・トリアノン」とその庭園にあたる「王妃の村里(Le Hameau de la Reine)」の雰囲気が本当に素晴らしく、大好きになりました!
ヴェルサイユにきたらぜひよって欲しい、超おすすめスポットですよ!!
これ以降は、グラントリアノンとプティトリアノンから戻ってきたあとの様子です。
帰ります!
ヴェルサイユ宮殿のアクセス・開館情報
パリからのアクセス
1.RERのC線を利用。終点ヴェルサイユ ・シャンティエ・リヴ・ゴーシュ駅(Versailles Château Rive Gauche)下車。その後徒歩約10分。
2.国鉄モンパルナス駅からTransilienでヴェルサイユ ・シャンティエ駅(Versailles-Chantiers)下車。その後徒歩約15分。
3.国鉄サン・ラザール駅からTransilienでヴェルサイユ ・リヴ・ドロワト駅(Versailles – Rive Droite)下車。その後徒歩約20分。
開館時間
宮殿本館
4~10月 9:00~18:30
11~3月 9:00~17:30
入場は閉館の30分前まで
休館日:1/1、5/1、12/25、月曜日、その他公式行事がある日
庭園
4~10月 8:00~20:30
11~3月 8:00~18:00
無休
料金
€18(日本語オーディオガイド付き)
18歳未満と11~3月の第一日曜日は無料
パリ・ミュージアム・パス使用可能
セットチケットや事前購入については、公式サイトをご覧ください。
ヴェルサイユ宮殿のまとめ
今日では、フランスの中でも屈指の観光地となっているヴェルサイユ宮殿。
今回のブログでは、そんなヴェルサイユの宮殿と庭園をご紹介しました。
ご紹介した「絶対王政」を表現する3つのキーワードに絡んだ場所意外にも、庭園にはたくさんの見所がありますし、実は宮殿内にも僕たちが見落とした場所がいくつかあります…!笑
そう、ヴェルサイユ宮殿は、あまりにも広すぎるのです…!!
庭園内の移動のためにプチトラムやレンタルカート(ゴルフカートみたいなもの)が用意されているほどで、徒歩だとかなり足腰にきます。笑
とにかくとにかく広いので、ヴェルサイユの宮殿と庭園の観光だけで朝から晩まで丸一日かけても十分なくらいですよ!
フランス王朝の絶頂期の象徴とも言えるヴェルサイユ宮殿。
皆さんもフランスへお越しの際は、その”豪華絢爛”にぜひ触れてくださいね!!
この記事へのコメントはこちらから!